近年、特定技能制度を活用した在留外国人が増加しています。出入国在留管理庁によると2022年11月時点で特定技能(1号)在留外国人数は12万人にのぼります。2021年12月末がおよそ5万人だったことを踏まえると、急増していると言えます。
本記事では、特定技能制度を活用して日本で働く労働者の国籍別在留外国人数のランキングをご紹介いたします。
特定技能とは?
ランキングのご紹介の前に、今回カウントの対象としている「特定技能」とは一体何を指すのでしょうか?
法務省出入国在留管理庁では特定技能を以下のように定めています。
「特定技能」には、2種類の在留資格があります。
「特定技能1号」は、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格であり、「特定技能2号」は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。
また、在留人数の大半を占める特定技能1号は以下のような特徴があります。
在留期間:1年、6か月又は4か月ごとの更新、通算で上限5年まで
技能水準:試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)
日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)
家族の帯同:基本的に認めない
受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象
特定技能国籍別ランキング
それでは、特定技能の国籍別ランキングのトップ5をご紹介します。
※掲載している在留人数は2022年9月時点のデータを参照しています
第5位 ミャンマー
ミャンマーは、2023年2月時点で内戦状態にあり、国外の安全な地域で家族のために働きたいという方々の特定技能人材の後押しもあり、およそ5,000人が特定技能人材として日本に在留しています。
ミャンマー語の文法や発音が日本語に近いこともあり、習得できる日本語が流暢であり、日本の職場でのコミュニケーションも円滑になりやすいという特徴があります。また、仏教徒が多いミャンマーでは年上を敬う姿勢であったり、自分を律して勤勉に働く国民性が日本と共通してることもあり、日本の職場になじみやすいことも特徴です。
第4位 中国
中国は、およそ7,500人が特定技能人材として日本に在留しています。
ひと昔前は、日本において中国人労働者が多数を占めていましたが、現在は中国が経済発展したこともあり、自国内で働き口の選択肢が増えたり、十分に稼げるようになったことから近年は、日本での労働者は減少傾向にあります。
第3位 フィリピン
フィリピンは、およそ11,000人が特定技能人材として日本に在留しています。
フィリピンからの外国人材は他の国々と異なり、自動車整備や漁業といった業界での受け入れ人数が多いことが特徴的です。
また、フィリピンはPOLO(フィリピン海外労働事務所)と呼ばれる、フィリピン国籍者の労働条件等がフィリピン政府の定める基準を満たしているか確認をする機関があり、他国とは異なる雇用手続きが必要になるという特徴があります。しかし、この手続きが煩雑であり、受け入れ機関の負担になるという側面があるため、留意する必要があります。
第2位 インドネシア
インドネシアは、およそ13,000人が日本で特定技能人材として在留しています。
インドネシアは国民の約9割がイスラム教徒であり、日本と文化が大きく異なるということもあり、以前は受け入れが嫌煙される傾向にありましたが、約3億人にのぼる人口と島国特有の明るさ、勤勉に働く姿勢などから近年は増加傾向にあります。
インドネシア国内に日本語学校が増えてきていることも特定技能人材の送り出しの後押しとなっています。
第1位 ベトナム
ベトナムは、およそ65,000人が日本で特定技能人材として在留しており、特定技能人材全体の約60%を占めています。日常生活の中でもベトナム人が飲食店などで活躍している姿を目にすることも多いのではないでしょうか。
一方で、現在はベトナム人が特定技能人材の大半を占めていますが、中国のようにベトナムも経済が成長していることからハノイやホーチミンなどベトナム国内の都市で働くことで十分に稼げる状況になってきており、今後在留人数には変化が起こるかもしれません。
外国人材の受け入れを検討している方々は、それぞれの国の情勢などを見つつ、外国人材の受け入れ判断をしていく必要がありそうです。
おわりに
様々な国から特定技能人材として日本に働きに来ている人々がいますが、それぞれの国ごとに国民性や、業界との相性があります。
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